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The Gentle Giants of Ganymede(ガニメデの優しい巨人)を読み、宇宙開発について考える

はじめに

The Gentle Giants of Ganymede(ガニメデの優しい巨人)』は1981年に刊行されたジェイムズ・P・ホーガンさんの作品です。

本書は以前紹介した『Inherit the Stars(星を継ぐもの)』、月面で5万年前に命を落とした謎の宇宙飛行士の発見から始まったハードSF小説の続編となります。

THE GENTLE GIANTS OF GANYMEDE

James P. Hogan

ガニメデ

ガニメデ(Ganymede) は太陽系で最も大きいな惑星の第三衛星、太陽系に存在する最も大きい衛星で、惑星である水星よりも大きな星です。(ちなみに月は衛星としては太陽系で5番目の大きさ)

本書では太陽系にかつて存在した知的生命体と彼らが太陽系からいなくなった経緯、その後に関するストーリーになっています。

日本のオーディブルで聴き放題

洋書の聴き放題がまだ少ない日本のオーディブルですが、ジェイムズ・P・ホーガンさんの「巨人たちの星シリーズ」3部作は追加料金なしで聴くことができます。

アルテミス計画

現実の科学技術をもとにしたハードSF小説である本書ですが、木星の近くまでの有人飛行まで人類の技術はそこまで進んでいません。

しかしながら、NASAが日本のJAXAを含む各国と協力している月への有人飛行プロジェクトであるアルテミス計画は着々と進んでいます。

月への有人着陸を目標とするアルテミス3号は2025年から開始される予定、結構近い未来の話ですね。

SLS(Space Launch System)

月面への有人着陸といえば1969年に成功したアポロ11号とサターンⅤロケットの組み合わせでしたが、アルテミス計画はアポロ計画と異なった計画となっています。

最も肝心なシステムであるロケットはSLS(Space Launch System)と呼ばれ、以下の工程を経て月への有人着陸を成功させること計画となっています。

  • SLS Block 1:かつてスペースシャトルに使用されていたロケットブースターを改修、エンジンを再利用しますがスペースシャトルが3基に対して4基装備しています。
    飛行は無人で行われ、2022年8月にアルテミス1号として打ち上げ予定です。
    乗組員を載せた月周回飛行(アルテミス2号)を2023年に行う計画です。
  • SLS Block 1B Crew:Block1の派生型で乗組員を載せるための機体。
  • SLS Block 1B Cargo:月面着陸を準備するための装備を月周回軌道に送ります。
  • SLS Block 2 Cargo:Block 1Bよりも大きな推力を持つ機体です。

サターンVロケットやスペースシャトルが打ち上げられたケネディ宇宙センターの"第39発射施設(Launch Complex 39 / LC-39)”ではアルテミス計画に向けて設備の増設が進んでいます。

ファルコンヘビー

アルテミス計画には、ツイッター買収でお騒がせのイーロン・マスク氏が率いるスペースX社も参加しています。

スペースX社からは、再利用できその映像で世界を驚かせたファルコン9ロケット、そしてファルコン9を大型化したファルコンヘビーロケットが使用される予定です。

まとめ

『星を継ぐもの』の続編である本作、前作の謎の解明が進みより深い内容となっています。