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トランプ政権時代の秘密を暴露、”FEAR (恐怖)”と”RAGE(怒り)”

トランプ政権の総括

”FEAR”と”RAGE”はともにワシントンポスト紙編集委員であり、ニクソン大統領が任期途中で辞任に追い込まれる原因となった”ウォーターゲート事件”の報道で有名なボブ・ウッドワード氏による書籍です。

FEAR

TRUMP IN THE WHITE HOUSE

Bob Woodward

RAGE

Bob Woodward

本書は関係者への取材に加えてトランプ元大統領への直接インタビューした内容が元になっており、ただの憶測では書かれていない骨太の調査報道がされています。

大統領選挙前後

"FEAR"の主な内容はトランプ氏がヒラリー・クリントン元国務長官が圧倒的優勢という予想を覆して当選した2016年の大統領選挙の前後の出来事、”アメリカ第一主義”を掲げて進んだその後の政権運営となります。

本人や家族もまさか当選することは考えておらず、困惑したそうです。

その結果、政権の中心人物には家族や、政治の経験がほとんどない人物(友達、知り合い)が任命される、マティス国防長官のような優秀な人物が任命されても、人間関係の悪化により辞任するという混乱が続きました。

また、オバマ政権時には寛容であった移民政策を大幅に路線変更したことにより、これまでアメリカにとどまることができた移民の家族が分断されるなど多くの悲しみをもたらしました。

思い付きの発言をツイッターで投稿することで多くの誤解を生み、株価と経済にも頻繁に影響をあたる場面がありました。

終わりの2年

”RAGE"に記されているのは政権の後半、北朝鮮への訪問、シンガポールでの会談などその行動力で予測のつかない出来事が起こった2年間です。

パンデミック対策

順調な経済と、予期し難い外交の成果を得て、2020年の再選の準備を進めていた2019年末、Covid-19が発生します。

アメリカでも、2020年初頭からその猛威が発生することが予見されていましたが、政権はその影響を甘く見たことにより初動が遅れたことにより、多くの犠牲者が発生、今も完全には収まっていません。

ワクチンの製造に関してはその強引な指導により、”ワープスピード作戦”が成功しましたが、あまりも多くの犠牲者を出してしまいました。

まとめ

大きな成果があるものの、自らの好き嫌いで人事を行い、感覚的とも思える判断により多くの人を不幸にしたことを考えると、肯定的な評価することは難しい人物であると感じました。

また、テレビやネットニュースの情報だけに頼らず、深堀りした書籍を読むとその人の異なる側面を発見することがありますが、やっぱり伝えられていた通りの人物のようです。

本人が登場していたリアリティテレビ番組"The Apprentice"のような出来事が、ホワイトハウスで繰り広げられたことが読み取れます。

しかしながら、このような時代があり、人物がいたという記録を残し、そのことを知ることは未来にとって重要なことであるのではと考えさせる本でした。

これからもトランプ氏に関する本は出版され続けると思います。

さまざまな視点で読んでいこうと思います。