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はじめに
『THE NEW NEW THING』はマイケル・ルイスさんが1999年に刊行したノンフィクション書籍です。
本書では、インターネット創世記に以下の会社を創業したジム・クラーク(James H. Clark)氏が紹介されています。
- シリコングラフィックス社:コンピュータグラフィックスに特化したコンピュータを開発、『ジュラシックパーク』等、映画のCG制作などに活躍しましたが、2006年に倒産。
- ネットスケープ コミュニケーション社:インターネットブラウザである"Netscape Navigator"を開発、マイクロソフト社の Internet Explorerとの激しいシェア争いが生じた。
THE NEW NEW THING
A SILICON VALLEY STORY
Michael Lewis
主人公
本書の主人公であるジム・クラーク氏は上記2社の創業者の顔以外に、無類のヨット好きとして知られています。
コンピュータサイエンスの博士号を持っていることもあり、自信が所有するヨットに行った様々な改造の内容や実験についても紹介されれています。
本書は"Boat”という単語がしょっちゅう出てきます。
一世を風靡、そして...
1990年代から2000年代の初め、コンピュータグラフィックスの世界において、シリコングラフィックス社は一世を風靡、1996年にはスーパーコンピューターの開発で有名なクレイ・リサーチ社の買収するまで成長します。
しかしながら、その後の低価格でありながら高性能なPCの普及により低迷し、2006年の連邦倒産法第11章(Chapner 11)の適用申請に至ります。
まとめ
本書を読んで感じたのは、インターネット創世記の時代のトップはパワフルだったなという感じです。
現在のIT巨大企業トップである、アップル社のティム・クック氏、アルファベット社(グーグル)のサンダー・ピチャイ氏、マイクロソフト社のサティア・ナデラ氏は破天荒な印象がなく、落ち着いていて冷静な印象です。
成熟した企業にはそのような社長が必要になってくるのかもしれません。
テスラ社にはまだ破天荒なトップがいて世間を騒がせていますが...
サムネイルの写真について
サムネイルの写真はコンピュータグラフィックスではなく、実際に飛んでいた飛行機で、ノースロップ社が開発、1942年に初飛行を成功させた"N-9M"です。
翼が機体になっている”全翼機”と呼ばれる飛行機になり、2010年まで実際にエアショーでデモンストレーション飛行をしていました。
1機が約2,000億円、世界一高い飛行機である全翼ステルス機、B-2 Spiritの祖先となります。
この独特な形状はクレイ社のスーパーコンピュターを用いて設計されたそうです。
とんでもない発想を実現化してしまうアメリカのすごさを感じます。