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映画”オデッセイ”作者の新作
『Project Hail Mary(プロジェクト・ヘイル・メアリー)』はAndy Weir(アンディー・ウィアー)さんが2021年に刊行したハードSF小説です。
Andy Weirさんは”オデッセイ”として映画化され、本ブログで紹介した"The Martian(火星の人)”の作者で、"ARTEMIS(アルテミス)”に続く作品になります。

PROJECT HAIL MARY
Andy Weir

本作はオーディブルの聴き放題プランで聴くことができます。
主人公は学校の先生
本作の主人公は、中学校の科学の先生であるRyland Grace。
かつては優秀な分子生物学の学者でしたが、ある論文を書いたことで学会から反発にありその職を辞し、中学校の科学の先生をしています。
Star Eater
ある日、主人公は国連に召喚され、人類の存亡にかかわる問題について調べるよう依頼されます。
その問題とは、太陽がそのエネルギーを未知の単細胞生物に急速に奪われ、地球は氷河期に突入、半分以上の人類が生きていけなくなるという事実でした。
Rylandはその正体を突き止め、これを"Astrophage(Star Eaterをギリシア語にしたもの)”と名付けます。

人類の知性を遥かに超越したエイリアンによって脅かさせるのではなく、単細胞生物によって危機に陥るという設定が面白いです。
プロジェクト・ヘイル・メアリーとは
地球が氷河期に陥らないように、地球温暖化ガスの量を増やすなどの案もありますが、本質的な解決にはなりません。
絶望に陥る中、地球から遠い先のある星がAstrophageの影響を受けていないことがわかります。
その理由を探るため、有人宇宙船"Hail Mary(ヘイルメアリー)"を開発し、調査隊を送るプロジェクト、”ヘイル・メアリー”が始まります。

どうやってその星に向かうのか、そしてメンバー選抜の過程がこの小説の鍵の一つになります。
フラッシュバック
この小説では以下の2つの物語が並行して描かれています。
- 記憶を失っている主人公が、フラッシュバックによって記憶を取り戻していく過程
- リアルタイムで起こっている現実と、次々に発生する問題を解決する過程
主人公は、”火星の人”のように立て続けにおこる問題を解決する必要がありますが、ある理由で記憶を失っており、うまく進みません。

その後、怒涛の展開でストーリーは進み、主人公がすべての記憶を取り戻したとき、衝撃の事実を知ることになります。
作者について
作者であるアンディー・ウィアーさんは全米でトップレベルの州立大学で多くのノーベル賞受賞者を輩出している、カリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California, San Diego, UCSD)でコンピューターサイエンスを専攻していました。
科学オタクのである作者はその本領を発揮し、以下の独特の切り口でストーリーを進めます。

昔からあるジャンルのSF小説も、一味加えると新鮮でより面白くなることがわかりました。
以前紹介した“三体”が大ヒットしたのもこの理由かもしれません。
さいごに
この作品は”火星の人”と同じく苦境に陥った主人公が科学の知識をフル活用して問題を解決するストーリー、主人公の発言が楽観的で、ユーモアたっぷりであることも”火星の人”の主人公を彷彿とさせ、非常に楽しい作品になっています。
”プロジェクト・ヘイル・メアリー”は映画化の予定があり、主演が”ラ・ラ・ランド"や”ブレードランナー2049”で有名なライアン・ゴスリング(小説の主人公 である Ryland Grace になぜか名前が似ています)になるという話です。

”火星の人”以上の傑作、大おすすめです!


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