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Mindf*ck (マインドハッキング):アメリカ大統領選挙の結果に影響があったのか?

データと選挙

"Mindf*ck"はデータ分析を利用した選挙コンサルティング会社、ケンブリッジ・アナリティカ社の元社員であるChristpher Wylieさんが2019年に刊行したノンフィクションです。

Mindf*ck

Cambridge Analytica
And The Plot
To Break America

Christopher Wylie

本書では主に2016年米国大統領選挙時における社内の実情について暴露することで、SNSを利用した操作操作の危険性について述べられています。

ケンブリッジ・アナリティカ社

ケンブリッジ・アナリティカ社は2016年米国大統領選挙時における、フェイスブックを利用した情報操作疑惑が問題となりました。

同社はフェイスブック経由のアンケートと称してユーザーの情報を集め、アンケートをした本人だけでなく、その家族や友人の情報を入手、趣味や好みに合わせた政治的な広告を流すことで選挙結果に影響を与えたという疑惑を持たれました。

その結果、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOが米国議会に召喚されて証言、謝罪するという事態となりました。

大統領選挙以外にも、イギリスのEU離脱選挙にも利用されたといわれ、SNSを利用した情報操作の危険性が大きく問題視されるきっかけとなっています。

メタバース

2021年フェイスブックはメタ・プラットフォーム社のSNSサービスに看板を掛け替えました。

フェイスブック社は2014年、メタバースとつながる機器として使えるVRゴーグルである”オキュラス リフト”を開発したオキュラス社を買収しており、”オキュラス リフト”を使用するには、フェイスブックアカウントが必要になっています。

情報流出の疑惑がたびたび発生している会社とVR機器を結び付けることは、
プライバシーの観点からそれを疑問視する人がいます。

まとめ

2022年2月3日、メタ・プラットフォーム社の株価が25%暴落、これは時価総額にすると2,300億ドル(約26兆円)減少したことになります。 

今回の暴落の原因として、ユーザーの減少、アップル社のプライバシーポリシー強化が挙げられています。

また、若いユーザーはフェイスブックよりもTiktokなどに魅力を感じていますし、Tiktokは個人だけではなくビジネスにも利用されています。

メタプラットフォーム社はフェイスブック以外にもインスタグラムやメッセージングサービスのワッツアップも傘下にあります。

今回の暴落が存亡にすぐ影響を与えるわけでありませんが、プライバシーを尊重することが重大なことになってきています。

情報を独占し利用することの力、危険性について考えさせられる書籍です。