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オーディオブックの魅力:読書とドラマを同時に楽しむことができます。

はじめに

今週はArthur C. Clarkeさんの『2001 A Space Odyssey 』を聴き終えました。

2001 A SPACE ODYSSEY

Arthur C. Clarke

本書はオーディブルの聴き放題プランで聴くことができます。

小説よりも映画が先だった

“2001“は1968年、スタンリー・キューブリック監督によって映画として発表されました。

この映画はコンピュータグラフィクスのない時代に制作されました。

そしてそのリアルな描写と美しい映像が評価され、米アカデミー賞視覚効果賞を受賞、今でも最も偉大な映画の1つとして知られています。

一方、ストーリーに関しては後半が特に難解なため、公開当時は、SFアクション映画と思っていた観客が怒ったいう話も有ります。

本書は作者とキューブリック監督が映画の脚本を作成して映画化、その後小説化された作品になります。

オーディオブックで聴くと、まるでラジオドラマを聴いているようです。

以前紹介した、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』もドラマのような仕上がりになっています。

HAL9000という名のAIの反逆

本作品の最重要キャラクターはボーマン船長に加えて、宇宙船をコントロールする人工知能HAL9000。

HAL9000は小説版では1997年生まれ、機械が人間的であるかを調べるテストである『チューリングテスト』をパスしたと設定されています。

『チューリングテスト』を提案したのはイギリスの数学者、アラン・チューリング博士。

第2次大戦中、解読不能とされていたドイツ軍の暗号通信機『エニグマ』を解読したことで有名な彼の人生は『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』として映画化されています。

オーディオブックを通しても、有名な恐怖のメッセージ、"I'm sorry Dave, I'm afraid I can't do that."も映画のように体験できます。

ちなみにHALは”Heuristically programmed ALgorithmic computer” 、
”発見的なプログラムをされたアルゴリズム的なコンピュータ”の略であると作者は述べています。

”IBM”をアルファベット1文字ずつずらして”H⇔I A⇔B L⇔M”となったという説がありますが、作者は否定しています。

モノリスが見つかる

地球のヒトザルに知恵を与えた謎の黒い石板、モノリス(monolith)もこの映画を象徴する存在です。

21世紀の始まり、2001年に”ついにモノリスが見つかった”というニュースが流れてたことを記憶しています。

いまでも”モノリス発見”というニュースを見かけます。

それほど衝撃的で大きな存在なのですね。

最後に、生命が誕生する確率は

本書の大きなテーマの1つに地球外の知的生命体とのコンタクトがありますが、生命が誕生する確率について興味深い例えがあります。

  • ねじまでばらばらにした時計の部品を袋に入れて振っていたら、時計をもとの形に組み立てることができた。
  • 猿が適当にキーボードをたたいていたら偶然、シェイクスピアの戯曲を書くことができた。 

日本の小惑星探査機、『はやぶさ2』がリュウグウから採取した石と砂から、生命の材料といわれるアミノ酸が発見されたニュースがありましたが、地球に生命が存在するのはとんでもない奇跡なのですね。