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”盗まれた選挙”?
米国の議会では、大きな問題や事件が発生した際、その調査に関する関係者を呼び公聴会(Hearing)が開かれることがあります。
2010年、トヨタ自動車の豊田章男社長がプリウスのリコール問題で召喚されたことが話題になりました。
2022年6月10日より、2021年1月6日にアメリカ合衆国議会の議事堂が襲撃されるという、前代未聞の事件に関する公聴会が行われています。
私が英語の学習に使用しているアメリカの公共放送、PBS News Hourで放送された中継録画を観てみました。
襲撃に至る過程
公聴会では、襲撃事件の経緯について、以下の様々な人物の様々な関係者へのインタビュー映像、そして議事堂の外、内部のセキュリティカメラの映像記録が会場の画面に映されていました。
- 議事堂の近くで暴徒に襲われた警察官
- 襲撃を煽ったグループの関係者
- 大統領の補佐をしていた人(大統領の長女のイヴァンカ・トランプ、その夫のジャレッド・クシュナー)
- 盗まれた選挙であることを指示されたペンス元副大統領の法律アドバイザーなど
実際に襲われた人の状況の映像など、ショッキングな映像がありますが、起こったことをありのまま見せるという立場がとられています。
共和党の造反者
今年11月の中間選挙では民主党がかなり不利な状況であることが予想されており、この公聴会は選挙前のアピールという声もあります。
しかしながら、共和党ジョージ. W. ブッシュ大統領政権時の副大統領だった、チェイニー副大統領の長女であるリズ・チェイニー議員が事件調査の特別委員会の副委員長となり、元大統領に対して手厳しい態度をとっています。
彼女はいまだに影響力を持つとされるトランプ政権の政策の踏襲することに反対に立場をとっており、襲撃後のトランプ大統領弾劾の採決時に賛成票を投票しています。
さいごに
上院、下院ともに与党である民主党主導で開かれた公聴会であるため、ある程度偏った主張があるのは事実だと思いますが、真実を追求しようという政治家の態度は尊いものがあると感じます。
証言者は証言の前に宣誓を行います。
宣誓後には"so help me god(神に誓って)”と言うことから真剣そのもの、そして偽った証言を行った者は、偽証罪(perjury)に問われます。
良いこと、悪いことと、いろいろあるアメリカですが、責任をもって嘘をつかずに証言を行う点は、どこかの国の政治家も見習ってもらいたいものです。