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はじめに
"Pale Blue Dot"は1994年に天文学者、そしてSF作家でもある、カール・セーガン博士によって書かれた書籍です。
PALE BLUE DOT
A Vision of the Human Future in Space
Carl Sagan
Pale Blue Dotとは
"Pale Blue Dot"は1990年、ボイジャー1号によって撮影された”太陽系家族写真”にある地球のことを指します。
この写真はカール・セーガン博士がNASAに依頼し、約60億キロの彼方から撮影された地球の姿です。
この写真は我々が住んでいる地球は、無限の広さがある宇宙にとってちっぽけな点、貴重ではかない存在であることの象徴となりました。
"Pale Blue Dot"は、最も遠い位置から撮影された地球の写真です。
ボイジャー計画
NASAは1977年にボイジャー1号、ボイジャー2号を打ち上げました。
その目的は、太陽系の惑星そして太陽系外の探査を目的とした探査です。
ボイジャーには、地球の自然の音、音楽、言語を収録した金色のレコードが搭載されており、収録内容は博士を中心とした委員会によって決められました。
ボイジャーからの通信は2025年で途絶える見込みです。
遠い未来、このレコードへの返事がくるかもしれません。
カール・セーガン博士
カール・セーガン博士は、テレビシリーズ”COSMOS”を代表するように、多くのメディアに登場して天文学を身近なものにする活動にも力を入れました。
SF作家としても有名で、宇宙からのシグナルを探査するプロジェクトである
”SETI(Search for Extra Terrestrial Intelligence、地球外知的生命体探査)"
を舞台にした作品である、”コンタクト”はジョディー・フォスター、マシュー・マコノヒー主演で映画化されました。
”コンタクト”はフィクションの物語ですが、実際に1977年、アメリカの天文台で地球外からの信号、”Wow!シグナル”という現象が観測されています。
SF映画のような現象が実際に観測されたのには驚きです。
小惑星
後半のナレーションは妻のアン・ドルーヤンです。
ドキュメンタリー映画のディレクターである彼女はボイジャー計画のゴールデンレコードのCreative Directorを務め、本書では地球が抱えている課題を宇宙的な視点で紹介しています。
恐竜が絶滅した原因といわれる小惑星の激突。
特に小さな小惑星を見つけるための観測技術が求められています
昨年起動に成功したジェームス・ウェッブ宇宙望遠鏡などの能力が期待されています。
さいごに
本書で紹介された内容は現在、進化した形で実現されています。
- 火星表面にローバーを着陸させ、地表面をくまなく探査
- 小惑星の位置を変える実験”DART(Double Asteroid Redirection Test)"
近い将来、火星への有人探査が計画されています。
”Pale Blue Dot"は宇宙への関心をますます深めてくれる書籍です。